-あいりん貯蓄組合
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あいりん貯蓄組合(あいりん銀行)(消滅)


1962年10月1日、環境改善地区(あいりん地区)の労働者に対し、勤労意欲を啓発し、自力更生を促進する手段の一つとして、貯蓄奨励を促進する趣旨で大阪市が環境改善施設「大阪市立愛隣会館(西成区東田町73-1)」における地区対策事業の一環として国民貯蓄組合法により設立した。
国民貯蓄組合法は1963年に廃止されたため、その後は金融機関としての資格はなく預金を市立更生相談所長名義であっせん先の金融機関(輪番制で、住友銀、富士銀、大和銀、三和銀)に一括で預金し形態を維持していた。1971年7月1日(実質的には8月16日)からは、業務を民友会に委託した。1971年8月16日、大阪市立愛隣会館と大阪市立中央更生相談所を統合し、大阪市立更生相談所とした。1973年11月1日、住居表示変更により所在地が西成区太子1-15-17に変更となった。

身分証明の書類がなくても口座開設ができ、市中銀行並みの利子も付くが、愛隣会館内1店舗しかなかった。多くの場合、預金通帳は貯蓄組合が預かり、住所が不定のため本籍等でも管理していた。業務取扱時間は、労働者の二一ズにあわせて平日の午前9時から午後7時までとしていたが、利用のピーク時間帯は日雇いが終わった午後5時以降であった。
2012年10月31日、利用者数の減少やマネーロンダリングの懸念から窓口業務を閉鎖した。以後、10年間は解約と払出しのみの精算業務を行っていた。2014年4月1日、建物名称は西成区保健福祉センター分館に変更された。2022年3月31日、精算業務を終了した。
(1966年9月1日、東京都の山谷地区にも、同様に「東京都城北貯蓄組合」が設立され、2005年3月31日に解散し、2014年3月31日、精算業務を終了した。)